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表5.7.1 IBSの有効性の総合評価

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5.7.2 操作・行動から見た自動運航システムの評価
自動運航システムの有効性の評価を操船者の行動ならびに操作の状況から評価した。
(1)操船者の行動解析による評価
自動運航システムを使用することにより操船者の各航海機器、計器の使用頻度はかなり減少し、操船に必要な情報の収集で発生する動線や負担が軽減できることが判った。自動運航システムの使用により海図情報の位置づけが低下し、ARPA/RADAR情報への依存度がシステムに移る傾向が明らかになった。狭水域では海図情報の取得が困難である場合が考えられるが、ECDIS情報の提示は常時海図情報を把握するうえで、また、他船情報のECDlS上への重畳はARPA/RADAR情報を複数の当直者が同時に監視することになるので、より安全を高めることに寄与すると考えられる。
また、トランスポンダは自動運航システムと有機的に結合させることにより、効果的な運用が可能となると思われる。
(2)システムの操作内容から見た評価
操船者が自動運航システムを使用するとき、システムの提案内容を操船に反映するか否かによりシステムの有効性が評価できると考えられる。システムが提案する針路並びに避航計画の採用の割合を解析すると、提案の8割弱は採用される結果を得た。このことから、操船者は自動運航システムを大いに参考にし操船に有効に利用していることが判った。

 

 

 

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